ENHYPEN1 の曲「FEVER」について、楽曲構成やタイトル・歌詞・MV2の意味/解釈、ダンスの見どころや関連映像など、曲にまつわる様々な情報を整理しまとめておきます。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、FEVER をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
FEVER を要約すると、こんな曲 (7分類)
「FEVER」の曲を、基本情報・楽曲構成・パート配分・タイトルの意味・歌詞の意味/解釈・MVの有無・ダンス有無の7分類でまとめました。
- 基本情報
韓国語の楽曲。2nd ミニアルバム「BORDER: CARNIVAL」3曲目に収録。 - 楽曲構成
Aメロ→Bメロ→サビの流れで構成された、R&B のゆったりとしたテンポの曲。音源(YouTube 公式チャンネル) - パート配分
ヒスン > ニキ > ジェイ・ソンフン の順にパート配分が多い。 - タイトルの意味
タイトル「FEVER」は『(身体の)熱り』を指している。 - 歌詞の意味/解釈
本心をさらけ出せない相手に対し、理性で自分を制しようともがくさまが描かれている。相手を渇望する濃厚なラブソング。 - MVの有無
あり。MV(YouTube 公式チャンネル) - ダンス有無
あり。練習動画(YouTube 公式チャンネル)
FEVER の基本情報
「FEVER」は、ENHYPEN の 2nd ミニアルバム「BORDER: CARNIVAL」の3曲目に収録されています。
FEVER の楽曲構成・パート分け
「FEVER」の楽曲構成とパート分け(歌割り)を図にまとめてみました。
前作「BORDER: DAY ONE」には無かった、R&B3 のゆったりとした曲調となっています。
低めのベース音が『ドゥーン(タ) ドゥーン(タ)…』と繰り返され、かなり大人っぽい印象のあるサウンドです。
ティザー4 1 の動画が、音源として聞き取りやすいと思います。
‘FEVER’ Official Teaser 1
🗓2021年5月17日HYBE LABELS
パート割りとしてはヒスンが一番多いです。
次いで、Aメロと1番Bメロ/2番サビ部分を担当しているニキ、Aメロとサビ部分を担当するジェイ・ソンフンのパート割りが多いことも見て取れます。
パート配分 |
---|
ヒスン > ニキ > ジェイ・ソンフン > ジェイク・ジョンウォン > ソヌ |
FEVER のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「FEVER」全ての歌詞を書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
タイトルの意味は『熱(ほてり)』
まずタイトルの「FEVER」ですが、fever は「熱」や「発熱」、感染症の症状として「身体の体温が上がる」状態を示す英単語です。
日本では「興奮状態」や「熱狂」の意味で使われることの方が多いでしょうか。
歌詞を眺めてみても、R&B 特有の愛と人間関係にフォーカスされ、扇情的な表現を含むものとなっています。
これを青少年達が歌うのですから、凄い表現力ですよね。(ちゃんと意味を理解して歌っているのかな…)
本心は、おそらく後者
멈춰 제발 멈추지 마
(作詞: Si Hyuk Bang, Tae Yun Kim, Su Bin Kim, Alex Karlsson, Moa Carlebecker, Hee Joo Lee, Wu Hyun Park, Jieun Jeon, Jeongim Kim, Son Jong Hwang, Ho Jin Song | 2021年 ENHYPEN [BORDER: CARNIVAL] の「FEVER」から引用)
멈춰 제발 멈추지 마
날 놓아줘 날 안아줘
(作詞: Si Hyuk Bang, Tae Yun Kim, Su Bin Kim, Alex Karlsson, Moa Carlebecker, Hee Joo Lee, Wu Hyun Park, Jieun Jeon, Jeongim Kim, Son Jong Hwang, Ho Jin Song | 2021年 ENHYPEN [BORDER: CARNIVAL] の「FEVER」から引用)
날 놓아줘 날 안아줘
上段は1番Bメロ、下段は2番Bメロの歌詞を引用させていただきました。
1番Bメロのニキパート “멈춰 제발 멈추지 마”(どうか止めて、止めないで)や、2番Bメロのソヌパート“날 놓아줘 날 안아줘”(僕を離して 僕を抱きしめて)など、相反する感情を抱いて葛藤しているさまが見て取れます。
本心は後者の「止めないで」や「抱きしめて」の方だろうと思います。
感情のまま気持ちをさらけ出せない相手に対し、理性で自分を制しようとしているのかもしれません。
『僕の太陽』その意味は…
Please stop (stop)
(作詞: Si Hyuk Bang, Tae Yun Kim, Su Bin Kim, Alex Karlsson, Moa Carlebecker, Hee Joo Lee, Wu Hyun Park, Jieun Jeon, Jeongim Kim, Son Jong Hwang, Ho Jin Song | 2021年 ENHYPEN [BORDER: CARNIVAL] の「FEVER」から引用)
나의 태양이여 그만 baby, oh baby (ooh)
こちらは、2番Aメロの歌詞を引用させていただきました。
“나의 태양이여”(僕の太陽よ)は、おそらく暗喩です。この手の表現は、世界共通なのでしょうか。
郷ひろみの「GOLDFINGER ’99」で『野蛮な太陽』という表現や、ORANGE RANGE の楽曲「イケナイ太陽」などを思い出します…世代が知れますね。
「太陽」は古くから神話や占いなどで「陽・動・男性」のシンボルとされています。
対して「月」は「陰・静・女性」のシンボルとなります。
男性の象徴として、この歌詞の『太陽』が示すもの…🫣コンテンツポリシーを守るためこれ以上は明記できませんので、あとは皆さんのご想像にお任せします。
「王座に座った君」の前に立ったのは?
얼음 같은 눈 그 붉은 눈빛
(作詞: Si Hyuk Bang, Tae Yun Kim, Su Bin Kim, Alex Karlsson, Moa Carlebecker, Hee Joo Lee, Wu Hyun Park, Jieun Jeon, Jeongim Kim, Son Jong Hwang, Ho Jin Song | 2021年 ENHYPEN [BORDER: CARNIVAL] の「FEVER」から引用)
Breaking me in two 나를 흔들지
왕좌에 앉은 네 앞에 설 때
내 안에 타는 불길
1番Aメロの歌詞を引用させていただきました。
気になるのは “그 붉은 눈빛”(その赤い眼差し)や “왕좌에 앉은 네 앞에 설 때”(王座に座った君の前に立つとき)というフレーズです。
赤い眼差しは Given–Taken の歌詞としても出現しており、ヴァンパイアをイメージさせるものでした。
「王座に座った君の前に立つとき」は、シチュエーションとして漫画版/小説版のいずれにもありませんでしたが、「君」はヴァンパイアロード5である王女(セレン)を示していると思います。
歌詞から推察すると、ヘリ(=ヒスン)の想いが綴られたものと思ったのですが、“얼음 같은 눈”(氷のような目)と表現されているため、王女が相手に対し好意を抱いていないと考えると、「君の前に立っている」のは宰相のダルダンで、つまりダルダンの想いなのかもしれません。
ダルダンも最初はヘリと同じように王女に恋愛感情を抱いていたと思うのですが、受け入れてもらえない状態から支配欲の方が勝ってしまい、徐々に歪んだ愛情へと変化していきます。
FEVER MVの解釈
楽曲を理解する上では、公式の MV も大事な要素の一つです。
「FEVER」には MV が用意されていますので、次にリンクを貼っておきます。
‘FEVER’ Official MV
🗓2020年11月30日HYBE LABELS
1分間も費やす騎士の姿
MV 内の映像は「Drunk–Dazed」の MV と同じ遠い過去を描いたものと、イメージ映像のような現在の姿、ダンス映像の3場面で構成されていると思います。
時系列に3枚の図で表現してみました。
1枚目の図は全て「騎士の姿」でした。時間にして約1分、MV 全体の四分の一を占めています。
黒い霧のようなものに追われていて、最後はヒスンが犠牲になってしまったのでしょうか?
この MV の映像で表現されている「黒い霧」は、宰相ダルダンではないかと推測します。
「黒の月: 月の祭壇(ノベル)」のストーリー上でヴァンパイアが霧へと変化する能力があることが描かれており、スハとダルダンがその能力を持っています。
ちなみに、霧化したスハを認識できるのは、ヘリ(=ヒスン)と カーン(=ケイ)だけという設定です。2人とスハとの関係性も気になるところです。
曲のタイトルから連想されるように、サーモセンサーを使った熱を感じさせる映像が取り入れられているのも特徴的です。
対照的にプール施設が撮影場所として使用されているのは、熱を冷ますための水辺という意味合いがあるのかもしれません。
顔のラメと金色の紙吹雪
ニキ・ソヌ・ジェイクの顔に塗られたラメと、騎士の姿で映っていた金色の紙吹雪も、もしかしたら繋がりがあるのかもしれません。
ニキが水に顔をつけてラメの一部が落ち、後に映った騎士の姿の映像では、舞い落ちてくる紙吹雪を眺めて楽しんでいるようにも見えます。(水を通して、過去と繋がっている?)
この3人に塗られたラメの形状が、後に発表される「DIMENSION: DILEMMA」のパッケージ3形態(SCYLLA / ODYSSEUS / CHARYBDIS)の文字配置と似ているという話題が、先輩 ENGENE の考察として挙げられていました。
心臓とコインモチーフのペンダント
どうしても気になる映像は、ペンダントが絡まった心臓が動いているシーン。
おそらく CG6 だと思うのですが、コインモチーフのペンダントトップになっています。
コインには「金運」を呼ぶという意味の他に、「お守り」としての意味もあるようです。
コロナ禍に発表された楽曲であり、“널 앓고 싶어”(君を患いたい)という歌詞を用いているのをみても、心を守る(=秘密にしておく)というイメージを抱かせるためなのかなと想像します。
チェーンでロックされているようにも見えますしね。
ちなみに、撮影に使われたのは、ルイ・ヴィトン7のペンダント(型番:M80184)だったようです。
MV 撮影時の映像が分かりやすいと思いますので、参考までにリンクを貼っておきます。
[EPISODE] ‘FEVER’ MV撮影スケッチ
🗓2021年5月20日(4′12″~)ペンダントに「LV」のチャームが付いているのが確認できます。
ENHYPEN Official YouTube
メンバーのリアクションは「CGがすごい」
最後に、出来上がった「FEVER」の MV をメンバーが初めて観たときのリアクション動画がありますので、こちらにリンクを貼っておきます。
‘FEVER’ MV リアクション
🗓2021年5月24日ENHYPEN Official YouTube
MV 公開の2~3時間前になって、ようやくメンバーも確認できたようです。カムバック後の活動で忙しかったでしょうか。
「CGがすごい」という感想や、ヒスンの演技力をメンバー揃って褒めていました。
騎士の姿も良かったですが、現在の姿でのなまめかしい色気が出ていましたよね!
1番Aメロのジェイク・ソヌが撮影した場所は、どうやらシャワー室だったようですね。
「FEVER」の MV 撮影は「Drunk-Dazed」MV 撮影の1週間後に撮ったとジョンウォンが明かしてくれています。
FEVER のダンス見どころ
K-POP の楽曲には、歌と同じくらいダンスでの表現も欠かせませんよね。
YouTube の公式チャンネルに「FEVER」の Dance Practice 動画がアップされています。
サムネイル画像には、丁寧にメンバーの名前が表示されています。
‘FEVER’ ダンス練習
🗓2021年5月22日ENHYPEN Official YouTube
最初と大サビ前で、メンバーが横になって折り重なる隊形があります。
最初はジェイクが仰向けになっており、大サビ前ではヒスンからジョンウォンに入れ替わります。ちょっとしたイリュージョンのようですね。
1番Aメロでは、ソンフンとニキの掛け合いが見どころです。“너에게 손대선 안 돼 절대”(君に触れてはいけない、絶対に)の歌詞を表現するように、ソンフンがニキを触ろうとし、ニキがそれを制するような振り付けになっています。
サビ部分の振り付けは言うまでもなく “Like a fever fever fever fever” の歌詞に合わせて、手首から首の前後、頭へと熱が上っていく様子を表しているのだと思います。
足元も一緒に左→右→左と動かしていて、全身が波打っているような不思議な動きになっています。
2番Aメロにあるニキの独舞は、右半身だけを器用に動かしているかと思った次の瞬間には、下半身と上半身が別々の動きをして、重心がどこにあるのか…よく倒れないなぁと感心してしまいます。
続くヒスンの独舞との対比としても見応え十分です。
2番Bメロの最後、ニキがソヌの首元に触れる振り付けがありますが、汗が気になって首ではなく肩の部分に触れるように変化しているようです。
2022年第3四半期決算の動画に汗のエピソードが収められていますので、次にリンクを貼っておきます。
2022 第3四半期決算(Mini Awards EP.3)
🗓2020年12月3日ENHYPEN Official YouTube
汗について「その汗が…!僕たちの努力であり情熱ですよ!」と熱く語っているジェイクと、その純粋な表情を是非ご覧頂きたいです。
FEVER のステージ映像
音楽番組などで披露された「FEVER」のステージ映像について、いくつかピックアップして引用しておきます。
M COUNTDOWN (2021年5月20日)
まずは M COUNTDOWN8 の映像です。
洋館のようなセットが組まれていて、紫色の照明が怪しげな雰囲気を演出しています。
M COUNTDOWN:FEVER
🗓2021年5月20日Mnet K-POP
衣装は MV のダンス映像のものと配色は似ていますが、黒を基調として橙が多めに取り入れられています。
ヒスンとジェイのシャツに黄色が取り入れられ、ジョンウォンのインナーは黄緑色になっていました。
大サビから銀色の紙吹雪と黒い羽根のようなものが舞っていて、ステージがより華々しい空間になっています。
ヒスン・ジョンウォン・ソンフンがエンディング妖精9でした。
THE SHOW (2021年5月25日)
次に THE SHOW10 の映像です。
赤や黄色の照明が使われ、背景は神殿のような映像に、火の粉や炎が舞うような演出が施されています。
THE SHOW:FEVER
🗓2021年5月25日THE K-POP
衣装は 5月20日出演の M COUNTDOWN のものと一緒ですね。
1番と2番の間奏では、カメラの焦点をぼかす演出が加えられており、熱でもうろうとしている状態を表現してくれているようでした。
こういった細やかな演出は、視聴者にとって(特に ENGENE11 には)嬉しいですね。
大サビでは、火の粉に見立てたものか、赤色の丸い紙吹雪が舞っていました。
ソンフンがエンディング妖精となっています。
M COUNTDOWN (2021年5月27日)
続いて、こちらは M COUNTDOWN の映像ですが MPD12 FanCam13 映像となっています。
背景にはくすんだ色のバラの花が映されていて、雨が降ったり炎で燃えたりしています。
M COUNTDOWN:FEVER
🗓2021年5月27日Mnet K-POP
衣装は黒を基調として、ジャケットやTシャツ・インナーで赤色を取り入れたシックなものになっています。
これがジェイが好む『ロックシック』というものでしょうか…。
サビ部分ではステージ奥で吹上花火が上がり、豪華な演出となっています。
大サビでは背景映像が林の中へと変化し、青白い照明が使われていました。
叶わぬ想いを物悲しいストーリーとして表現されたのかもしれません。
Music Bank (2021年5月28日)
最後に Music Bank14 での映像です。
背景には鎖や炎の揺らぎのような、赤を基調としたイメージ映像が流れています。
曲の最初と大サビ前のメンバーが横になって折り重なる隊形では、意識的に青色の照明が使われていました。
Music Bank:FEVER
🗓2021年5月28日KBS WORLD TV
依然として黒がベースの衣装となっており、差し色はなく、白やグレーのシンプルなロックテイストのものでした。
ニキが黒のベレー帽を被っていて、個性的な印象を与えています。
ソヌがエンディング妖精となっていました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN の曲「FEVER」について多少なりともご理解いただけましたでしょうか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「FEVER」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
Special Thanks 🥰
アイキャッチ画像:Alexander Kliem 様
埋め込み動画のサムネイル画像:Jan Alexander 様・Lucio Alfonsi 様・Tung Lam 様・Micha 様・Gerd Altmann 様・andresilva5 様
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コメント
K-POPでR&Bをここまで表現するとは…と見惚れた曲です。なんといっても、サビ部分の振付が良いですよね~。