ENHYPEN1 のメンバーである HEESEUNG のカバー曲「Off My Face」について、楽曲構成やタイトル・歌詞の意味/解釈など、カバー曲にまつわる様々な情報を整理しまとめておきます。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、ENHYPEN のヒスンによる Off My Face をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
Off My Face の基本情報
「Off My Face」は、ENHYPEN の公式 YouTube チャンネルで披露された、Justin Bieber2 先輩の楽曲です。ヒスンが1人でカバーしています。
[カバー] ENHYPEN ヒスン – Off My Face(原曲:Justin Bieber)
🗓2022年5月30日ENHYPEN Official YouTube
ジャスティン・ビーバーが所属していた Ithaca Holdings は2021年5月7日に HYBE AMERICA へ吸収合併されたため、同じ HYBE グループという意味で ENHYPEN とも繋がりができています。
ジャスティン・ビーバーによる「Off My Face」
「Off My Face」は、2021年3月19日にリリースされたジャスティン・ビーバーの 6th スタジオアルバム「Justice」の 4曲目に収録されています。
比較のため、ジャスティン・ビーバーによるステージ映像について、次にリンクを貼っておきます。
Justin Bieber – Off My Face (パリから生中継)
🗓2021年4月14日Justin Bieber
この動画はフランスの高級ホテル「ホテル・ド・クリオン」(Hôtel de Crillon)で行われた「Live from Paris」コンサートの一部として披露されたものだそうです。映像の最後、窓からエッフェル塔が望めましたね…セレブ~🤩
この曲は、ジャスティンの妻であるヘイリーに向けての想いが綴られたものとされています。
Off My Face の楽曲構成
「Off My Face」の楽曲構成を、図にまとめてみました。
アコースティックギターのサウンドが心地よい、ソフトロック3というジャンルの曲のようです。
Aメロ(Verse)→Bメロ(Pre-Chorus)→サビ(Chorus)と流れ、Cメロ(Bridge)を通して最後の大サビ(Chorus)へ繋がるシンプルな構成になっています。
ギターの細やかなピッキングと、ヴォーカルのファルセットで奏でられるこの曲は、どこか素朴で聴き手を包み込むような安心感があります。
ヒスンの透き通ったどこまでも甘い歌声と、ジャスティン・ビーバーの内に秘めた熱をあえて脱力感で隠すよう演出された原曲、それぞれの魅力を楽しむことができます。
Off My Face のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「Off My Face」の歌詞全てを書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
洋楽で英語歌詞であるため、Universal Music Japan International(ユニバーサルミュージック洋楽部)の公式 YouTube チャンネルでは和訳された動画が公開されています。
繰り返される『お酒』にまつわる表現
One touch and you got me stoned
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
まずは1番Aメロ、歌い出しの歌詞を引用させていただきました。
“One touch and you got me stoned” は「触れるだけで僕を酔わせてしまう」という意味です。
get stoned は直訳すると「石を投げつけられる」となりますが、お酒などで「酔う、ハイになる」ときに使われる表現のようです。
容赦なく石を投げつけられてフラフラになり倒れる様子から『ひどく酒に酔ったさま』を表す説と、stone-drunk(完全に酔って)から『泥酔しているさま』を表す説があるようです。どちらにせよ、自らの意志で動けない状態を指していそうです。
Can’t sleep ‘cause I’m way too buzzed
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
こちらは2番Aメロ、歌い出しの歌詞です。
“Can’t sleep ‘cause I’m way too buzzed” は「眠れないよ いつまでも酔いが回ってるんだ」という意味です。
‘cause は because を短縮した記述で、「なぜなら…、(というのも)…だから」と原因や理由を説明する時に使われます。
way too は「あまりにも~すぎる」と、後に続く形容詞を強調する表現です。
buzzed は、スラングとして「ほろ酔い状態」を示しています。
Even sober I’m not thinkin’ straight
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
1番Bメロ、最後の歌詞を引用させていただきました。
“Even sober I’m not thinkin’ straight” は「酔っていなくても まともに考えられない」という意味です。
sober は「酔っていない、しらふの」という意味を表す単語です。
even という副詞「~でさえ、~でも」を伴って「酔っていなくても」という表現になります。
『酔い』の状態には分類がある
調べてみたところ、お酒に酔う状態は6種類に分類されるようです。
『酔い』とは、血液に溶け込んだアルコールが体を巡り、やがて脳が麻痺することを指します。
アルコール血中濃度と酔いの状態
サントリーホールディングス株式会社
爽快期~酩酊初期が、開放感を感じストレスが解消されたような気分になる状態のようです。お酒を飲んで楽しめる、一番よい時と思われます。
酩酊期に入ると何度も同じことを喋ったり、足元がおぼつかなくなるようです。
泥酔期に入ると「立てない・意識がはっきりしない・言語がめちゃめちゃになる」といった症状が出てくるようです。
この状態を歌詞に当てはめて考えてみると、眠ろうとしても「ほろ酔い」状態にあり、君に触れられると途端に「泥酔」状態に陥り、お酒を飲んでいなくても血液の中(僕の体内)には君がいる…と表現しているかのようです。
相手を上の立場にし尊重している
You call the shots and I follow
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
1番Aメロ、中盤の歌詞を引用させていただきました。
“You call the shots and I follow” は「君が言うことに 僕はただ従うよ」という意味です。
call the shots は「指示する立場にある、支配する」という意味の慣用句です。
これは、ビリヤードのコールショット4というルールが語源になっています。
call the shots は、わがままな様子を表すときに使われることが多いようです。「君がどんなおねだりをしようと 僕が全部叶えてあげるよ」というニュアンスが含まれているのかもしれません。
It’s your world, and I’m just in it
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
1番Bメロの歌詞を引用させていただきました。
“It’s your world, and I’m just in it” は「ここは君の世界だ 僕はただそこにいるだけ」という意味です。
「君」の前では僕は存在するだけのちっぽけなもので、「君」の偉大さや尊さを表現しているような文です。
自分が退くことで相手を立てているのだと思います。
タイトルは「酔っている」という意味
‘Cause I’m off my face, in love with you
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
全てのサビ部分に共通する歌詞を引用させていただきました。
“I’m off my face” とあるように、タイトルにもなっている off my face が登場しています。
ここでの face は表面的な「顔」という意味ではなく「面目・面子」と捉え、『世間や周囲に対する体面・立場・名誉』という意味合いで考えてみます。
off は「(本体から)外れて・取れて・取り外されて」と捉えると、off my face は「自己・正気・理性を失っている=狂っている」状態を指していそうです。
また off my face は、「酒にひどく酔う(酩酊状態)」時にも使われる表現のようです。
“in love with you” は「君に恋している」とすると、この英文は「だって僕は酔ってるんだ、君に恋しているから」と訳すことができます。
よって、タイトルの「Off My Face」は『(君に)酔っている』という意味で付けられたものではないでしょうか。
恋人同士のエロティックな暗喩
No words, but we speak in tongues
(作詞: Leah Haywood, Justin Bieber, Daniel James, Jake Torrey, Tia Marie Scola | 2021年 Justin Bieber [Justice] の「Off My Face」から引用)
1番Aメロ、終盤の歌詞を引用させていただきました。
“No words, but we speak in tongues” は「言葉なんてなくても 僕たちは通じあえる」という意味です。(表向きには)
speak in tongues は通常「意味不明なことを話す(口走る)」や「異言5を話す」と訳されますが、ここには恋人同士の性的な行動が暗喩されているのではと言われています。
tongue は名詞で「舌」を意味する英単語です。
speak in tongues を「舌を使って話す」と直訳すると、おのずと『舌を使った愛撫』が連想されますね。
「日が昇ってもまだ僕らの夜は続く」や「寝かしてくれないのが嫌じゃない」という歌詞があるように、曲全体に恋人たちの(ジャスティンにとっては夫婦の)愛の営みが暗喩されています。
Off My Face の関連情報
「Off My Face の基本情報」で引用したカバー動画に対し、ジェイとヒスンがそれぞれ VLIVE6 で話をしてくれていますので、関連情報として整理しておきます。
ジェイの感想「ヒスンさんらしい」
まずは、動画公開の2日後に語られたジェイの感想です。
심심하면 들어오세요😉
(「退屈したら入ってください😉」2022年6月1日)(5′31″~)
Weverse
ジェイ 「この前 ヒスンさんのカバー曲が公開されていい反応でした。前からずっとヒスンさんが撮影する姿やレコーディングする姿を一緒に観たんですけど ヒスンさんらしいですよね?見てみるとヒスンさんらしいなとしか思わなかったんだ。ヒスンさんらしい いいカバー曲だと思います」
「ヒスンさんらしい」…の他に、何か無かったのかな?(笑)
長く一緒に過ごすと、このくらいシンプルな感想になるのでしょうか。
『ロマンチックな歌詞でも難なく歌える』とか、『得意な音域で歌いやすそう』だとか…何かしら表現はあったと思うのですが、何を発言しても後々からかわれると思いとどまったのかもしれません。
このコメントの短さも、ジェイらしいですね。下手に褒めても、何だかぎこちないと感じたのでしょう
ヒスン本人から語られたビハインド
こちらはジェイの VLIVE からさらに2日後、ヒスンが自ら「Off My Face」のカバーについて語ってくれています。
희승 근황토크 (feat. 제이)
(「ヒスン近況トーク (feat. ジェイ)」2022年6月3日)(9′57″~)
Weverse
ヒスン 「『Off My Face』のビハインド?僕は ENGENE の方々にすごく感謝してるんです。正直、心配というよりは その… ENGENE の方々がお聞きになった時 満足してくださるのか?と悩んだり ENGENE の方々が満足されるかどうかもそうだけど 僕も公開された時満足したいと思って このカバー曲のためにたくさんのことを準備したんです」
(12′30″~)
ヒスン 「実はビハインド… もっと詳しいビハインドをお話しすると もちろん僕が全てに介入することはできないんですが 参加する過程の全体的な部分に僕が参加しました。こうしたいと会社の方々とも意見を交わして 選曲から始まって 作業が始まる前もレコーディングしながら練習して 練習する過程もあったし作業して 映像で公開するかサウンドクラウドでアップするか悩んだ過程もありましたが 僕は映像と一緒に ライブパフォーマンスとしてアップしたいと思ったので 映像を作りたいという意見を出して コンセプトだとか 色んな背景 コンセプト 衣装など 全てに意見を出しました。候補を決める時もそうだし 色々と僕が直接 主導したいと思って 僕の意見やスタイルがたくさん込められた映像です 映像であり声 そんな感じです」
自分も満足のいくコンテンツにしたいと、可能な限り全過程に参画させてもらったと語るヒスン…こだわりの強さが伝わってきます。
ビジュアルも含めて映像で配信したのが、功を奏したと感じます。
ヒスンのファンでなくても、映像美と澄んだ歌声に魅了された視聴者は多かったのではないでしょうか。
ヒスンとジェイによる「Off My Face」
ENHYPEN の公式 YouTube チャンネルに、ジェイがギターを弾きヒスンが歌う「Off My Face」のショート動画がありましたので、併せてリンクを貼っておきます。(2024年8月5日 追記)
ENHYPEN ヒスン(ヴォーカル)・ジェイ(ギター) – Off My Face カバー
🗓2022年6月12日ENHYPEN Official YouTube
ユンニョンズの絆が垣間見れる、素敵な動画ですね!!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN ヒスンのカバー曲「Off My Face」について多少なりともご理解いただけましたでしょうか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「Off My Face」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
✨ Special Thanks ✨
アイキャッチ画像:Tung Lam 様
埋め込み動画のサムネイル画像:Jan Alexander 様・andresilva5 様
@ Pixabay
コメント
ヒスンによる「Off My Face」カバー動画は、現時点で 3,200 万回の再生数を超えていて、人気の高さがうかがえます。歌詞のように情熱的な恋愛を経験すると、表現により深みが出そうですよね😍