ENHYPEN1 がカバーした「Boy In Luv(상남자)」(以降、Boy In Luv と省略)という曲について、「基本情報」「楽曲構成・パート分け」「タイトル・歌詞の意味や解釈」「ダンスの見どころ」の4分類で情報を整理しました。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、ENHYPEN がカバーした Boy In Luv をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
Boy In Luv の基本情報
「Boy In Luv」は、ENHYPEN 初のファンミーティング「EN–CONNECT」(2021年2月6~7日)で披露された、BTS2 先輩の楽曲です。
メンバー全員でカバーしています。
BTS による「상남자 (Boy In Luv)」
「Boy In Luv」は BTS の 2nd ミニアルバム「skool Luv Affair」の 2曲目に “상남자 (Boy In Luv)” というタイトルで収録されています。
また、BTS のアンソロジーアルバム「Proof」Disc 1 の 4曲目にも “Boy In Luv” というタイトルで収録されています。
比較のため、BTS 先輩によるステージ映像のリンクを貼っておきます。
M COUNTDOWN: Boy In Luv
🗓2014年2月13日Mnet K-POP
Boy In Luv の楽曲構成・パート分け
「Boy In Luv」の楽曲構成とパート分け(歌割り)を図にまとめてみました。

オールドスクール5 の要素を持つヒップホップ・ミュージック6となっています。
強いビートにロック調も加わったサウンドが印象的な楽曲です。
曲の構成はAメロ→Bメロ→サビの基本パターンに、間奏やCメロで変化を持たせる、近年の POP ミュージックによくある流れです。
パート分けとしては、2番Aメロ/サビと大サビを担当したジェイが一番多いです。
次いで2番Aメロと1番サビ/大サビを担当したヒスン、1/2番サビとCメロを担当したジョンウォン、イントロ・1番AメロとCメロを担当したソンフンの順となっています。
パート配分 |
---|
ジェイ > ヒスン > ジョンウォン > ソンフン > ジェイク・ニキ > ソヌ |
ラップ部分はやはり BTS 先輩の歌声が素敵なので、次にリンクを貼っておきます。
Boy In Luv のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「Boy In Luv」の歌詞全てを書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
タイトルは「男の中の男」という意味
まず、タイトルの “상남자” は日本語に訳すと「男の中の男」という意味になります。
“상” は等級・水準・順番などで一番「上」であることを示し、「男、男性」という名詞の “남자” と組み合わせることで、男らしさに溢れる男性のことを指すようです。

BTS メンバーの中で「男らしい男とはあまり関係のないメンバーは?」と質問され、V が5票を獲得していました。無茶振りされて披露した愛嬌が「気持ち悪いです」と評価されていて…おかしかったです!
英題である「Boy In Luv」の luv は love を省略した形のスラングで、若者の間で使われるカジュアルな表現のようです。
love には「愛、恋、好き」といった意味があるため、「Boy In Luv」を日本語に訳すと「恋する少年」となります。
気持ちに余裕がない、恋愛初心者
왜 내 맘을 흔드는 건데 ?
(作詞: Dong Hyuk Shin, Ho Weon Kang, KM-Markit, Nam Jun Kim, Si Hyuk Bang, Yoon Gi Min | 2014年 BTS [Skool Luv Affair] の「상남자」から引用)
왜 내 맘을 흔드는 건데 ?
왜 내 맘을 흔드는 건데 ?
흔드는 건데 흔드는 건데 ?
イントロと1番Aメロの間、1番サビと2番Aメロの間に入る間奏での歌詞を引用させていただきました。
BTS では V、ENHYPEN ではジェイ・ニキのパートになっています。
“왜 내 맘을 흔드는 건데 ?”(何で俺の心を揺さぶるんだ?)のフレーズが3回繰り返された後で、“흔드는 건데”(揺さぶるんだ)が追加で2回も現れます。
歌詞に登場する「君」が意図的に「俺」を弄んでいるとは思えませんが、何かと突っかかってくる「君」を意識し過ぎて気持ちに余裕がないようすが伺えます。
안달 났어, 나 안달 났어
(作詞: Dong Hyuk Shin, Ho Weon Kang, KM-Markit, Nam Jun Kim, Si Hyuk Bang, Yoon Gi Min | 2014年 BTS [Skool Luv Affair] の「상남자」から引用)
니가 뭔데 ? 너만 잘났어 ?
왜 나를 자꾸 놀려 놀려
너 이제 그만 Hol’ up hol’ up
1番・2番共通の、Bメロの歌詞を引用させていただきました。
BTS では V・JIN、ENHYPEN では ソヌ・ソンフンのパートになっています。
“Hol’ up” は hold up を省略した形のスラングで、若者やヒップホップ文化で使われるカジュアルな表現の「待って」という意味です。
“왜 나를 자꾸 놀려 놀려”(何で俺をしきりにからかうんだ)“너 이제 그만 Hol’ up hol’ up”(もうやめろ、待てよ)という歌詞からも分かるように、あまり女性の扱いに慣れていないようです。
空回りするも、一途な想いは本物
대학까지도 너랑 간다면 참 잘 갈 것 같아
(作詞: Dong Hyuk Shin, Ho Weon Kang, KM-Markit, Nam Jun Kim, Si Hyuk Bang, Yoon Gi Min | 2014年 BTS [Skool Luv Affair] の「상남자」から引用)
가나다라마바사아 하쿠나마타타 !
1番Aメロの最後を引用させていただきました。
BTS では J-HOPE、ENHYPEN ではソンフンのパートになっています。
“가나다라마바사아” は韓国語の子音の順序を示しており、日本語の「あかさたな はまやらわ」にあたる言葉です。
“하쿠나마타타 !” はスワヒリ語の Hakuna matata のことで、「問題ない、心配ない、気楽にいこう」という意味があるようです。
“대학까지도 너랑 간다면”(大学までも君と行けば)という表現から「俺」はそれなりの年齢だと思うのですが、『あかさたな…』が出てくる時点であまり成績優秀なタイプではないと想像できます。
学業に専念することより、「君」と同じ学校に通うことの方がおそらく重要なのでしょう。
대신 아프면 119 말고 날 불러
(作詞: Dong Hyuk Shin, Ho Weon Kang, KM-Markit, Nam Jun Kim, Si Hyuk Bang, Yoon Gi Min | 2014年 BTS [Skool Luv Affair] の「상남자」から引用)
니가 울라면 울어, 웃으라면 웃어, 구르라면 굴러
2番Aメロの最後を引用させていただきました。
BTS では RM、ENHYPEN ではジェイのパートになっています。
“대신 아프면 119 말고 날 불러”(代わりに痛かったら119じゃなくて俺を呼んで)“니가 울라면 울어, 웃으라면 웃어, 구르라면 굴러”(君が泣けって言ったら泣くし、笑ってって言ったら笑うし、転べって言ったら転がるよ)という意味です。
「君」が痛みを感じていたら傍にいて助けてあげたい、「君」の願いは思う通りに叶えてあげたい、といった想いが込められています。

最後の「転べ」はどうかと思いますが、「君の言うことなら何でも聞くよ」という低姿勢なところがいじらしいです。
俺様で強気なフレーズが、実は刺さるんです
꽉 잡아 날 덮치기 전에
(作詞: Dong Hyuk Shin, Ho Weon Kang, KM-Markit, Nam Jun Kim, Si Hyuk Bang, Yoon Gi Min | 2014年 BTS [Skool Luv Affair] の「상남자」から引用)
내 맘이 널 놓치기 전에
Say what you want
Say what you want
니가 진짜로 원하는 게 뭐야 ?
全てのサビ部分で2回繰り返される歌詞を引用させていただきました。
BTS では JUNGKOOK・V・JIMIN・JIN、ENHYPEN ではヒスン・ジョンウォン・ジェイのパートになっています。
“꽉 잡아 날 덮치기 전에”(ぎゅっと捕まえろ 俺が襲い掛かる前に)“내 맘이 널 놓치기 전에”(俺の心が君を手放す前に)と、実に男前で強気なフレーズが続きます。
草食系男子という言葉が世間に浸透した近年、このような若干奥手な肉食系男子が実在するのか甚だ疑問ですが、稀だからこそ女子の心をときめかせるのだと思います。

まして、BTS 先輩や ENHYPEN のようなビジュアルも完璧な男子がこうだったらと思うと…怖いもの無しですね!
Boy In Luv のダンス見どころ
K-POP の楽曲には、歌と同じくらいダンスでの表現も欠かせませんよね。
YouTube の公式チャンネルに「Boy In Luv」の Dance Practice 動画がアップされています。
ファンミーティングの後、2ヶ月ほど経って公開されたようです。
‘상남자 (Boy In Luv)’ EN-CONNECT ダンス練習
🗓2021年4月2日ENHYPEN Official YouTube
パート割りに沿って振付も分かれているかと思いましたが、ダンスは適材適所で担当ポジションが変えられているようでした。
間奏に入る前の全員でジャンプする場面(0′13~14″、1′34″)では、高さのある揃った跳躍が何とも目を引きます。
Bメロでソヌがセンターになる場面では、口元を覆う手の所作が綺麗で、BTS 先輩とはまた違った魅力がありますね。
曲調から、やはり本家 BTS 先輩の荒々しいダンススタイルの方が似合っているように感じます。
ENHYPEN はお行儀よくまとまっている気がして、少し残念な気もしています。

大先輩の曲だからこそ、失礼の無いように丁寧に踊っているのかもしれませんね。
Boy In Luv の関連映像
ファンミーティング「EN-CONNECT」以外にも、音楽番組で披露された「Boy In Luv」のステージ映像が残っていますので、一緒に綴っておきます。
MUSIC BLOOD (2021年7月9日)
こちらは MUSIC BLOOD7 に出演時の映像です。
ENHYPEN の YouTube 公式チャンネルにて公開されています。
2021年7月6日の日本デビュー後に「Given–Taken [Japanese Ver.]」を披露し、併せて ENHYPEN の BLOOD SONG として「Boy In Luv」のステージも披露されました。
MUSIC BLOOD:Boy In Luv
🗓2021年7月9日ENHYPEN Official YouTube
学校で使われるような机や椅子、ロッカーなどが配置され、背景には教室の黒板や窓を思わせる四角い枠が映されていました。
衣装は Given-Taken [Japanese Ver.] 披露時と同じで、全体的に黒系で揃えられ、青や黒などのデニム系のジャケットとダメージ加工のある黒いパンツ、黒のブーツとなっています。
OA まとめの記事にも綴られていますが、「ちょっとアクロバティックな危ない振り付けが一つあるんですけど」とニキが見どころを紹介しています。
1番Aメロで、ソンフンが後ろから飛び出す場面ですね。
このステージでは、ジェイの表情管理が活きていました!
強気な表情に見入ってしまった ENGENE8 も多いのではないでしょうか。
最後に後ろを振り返り、大股で右腕を上げる決めポーズと、画面全体が真っ赤に染められる演出も印象深いものになっています。
EN-CONNECT の映像は DVD になっています
ENHYPEN の初ファンミーティング「EN-CONNECT」のようすは DVD 化され、今でも販売されているようです。
DVD は3枚組で構成されており、「Boy In Luv」のタイトルで DISC 01 に含まれています。
日本語字幕入りのものは Weverse shop または UNIVERSAL MUSIC STORE で販売される商品のみとなっているようです。ご購入の際には、どうぞお気を付けください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN のカバー曲「Boy In Luv」について多少なりともご理解いただけましたか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「Boy In Luv」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
I’m glad there’s a reaction.
✨ Special Thanks ✨
アイキャッチ画像:Gerd Altmann 様
埋め込み動画のサムネイル画像:Micha 様・andresilva5 様
@ Pixabay
ENHYPEN(エンハイフン/エナイプン):BELIFT LAB(HYBE LABELS)所属の7人組 K-POP アイドルグループのこと。
↩︎BTS(ビー ティー エス):BIGHIT MUSIC(HYBE LABELS)所属の7人組K-POPアイドルグループのこと。
↩︎M COUNTDOWN(エム カウントダウン):Mnet で放送されている、カウントダウン方式の公開音楽番組のこと。
↩︎カムバック(comeback):K-POP アーティストが新しいアルバムを発表し、活動を再開すること。カムバ。
↩︎オールドスクール:1980年代を中心に流行した、ブレイキン・ポッピン・ロッキンなどのストリートダンスに見られるスタイルのこと。
↩︎ヒップホップ・ミュージック(hip hop music):リズミカルな音楽のジャンルの一つ。ラップなどで、リズムやセリフを同じ調子でテンポよく繰り返すのが特徴。
↩︎MUSIC BLOOD(ミュージック ブラッド):日本で2021年4月~2022年9月まで日本テレビ系列で放映された音楽番組のこと。司会者として、田中圭と千葉雄大の2名が務めた。
↩︎ENGENE(エンジン):ENHYPEN のファンを指す言葉。
↩︎
コメント / Comment
カバー曲「Boy In Luv」は MUSIC BLOOD のステージを先に観ましたが、私が初めてジェイを認識できた映像です😅あの目力…さすがです!