ENHYPEN1 のカバー曲「Permission to Dance」について、楽曲構成やタイトル・歌詞の意味/解釈、ダンスの見どころなど、カバー曲にまつわる様々な情報を整理しまとめておきます。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、ENHYPEN による Permission to Dance をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
Permission to Dance の基本情報
「Permission to Dance」は、日本の音楽番組「2021 FNS歌謡祭」(2021年12月8日)で披露された、BTS2 先輩の楽曲です。メンバー全員でカバーしています。
FNS歌謡祭:’Permission to Dance/Tamed-Dashed’(~1′28″)
🗓2021年12月8日ENHYPEN Official YouTube
おっと、放映はちょうどソンフンの誕生日でしたね🎉
「2021 FNS歌謡祭」は第1夜/第2夜と2週連続の放映として構成されており、ENHYPEN は 第2夜 19時台の出演となったようです。
また、同曲は「KCON3 2022 LA」(ロサンゼルス、2022年8月20日)でもステージ披露されたそうです。
KCON ではソヌが体調不良で不参加となり、6人でのパフォーマンスとなりました。
BTS による「Permission to Dance」
「Permission to Dance」は、2021年7月9日にリリースされた BTS の 2nd シングルアルバム「Butter」の 2曲目に収録されています。
比較のため、BTS 先輩によるステージ映像について、次にリンクを貼っておきます。
音楽の日 2021:Permission to Dance
🗓2021年7月17日BANGTANTV
「音楽の日 2021」は14時から開始され8時間にわたる長時間の番組でしたが、「Permission to Dance」は終盤の21時台に放映されたようです。
Permission to Dance の楽曲構成・パート分け
「Permission to Dance」の楽曲構成とパート分け(歌割り)を図にまとめてみました。
大衆受けする軽快で楽しげなメロディーであり、ピアノやストリング4のサウンドが特徴的なダンスポップジャンルの楽曲です。
曲の構成はAメロ→Bメロ→サビの基本パターンに、Cメロで変化を持たせる近年の POP ミュージックによくある流れです。
ENHYPEN のパフォーマンスでは2番が省略され、Cメロから大サビの最後で締める形となっています。
パート分けとしては、1番AメロとCメロ・大サビを担当したニキが一番多いです。
次いで1番AメロとCメロを担当したジェイク、1番サビとCメロを担当したヒスンと、1番Bメロ大サビを担当したソヌが同率となっています。
パート配分 |
---|
ニキ > ジェイク > ヒスン・ソヌ > ソンフン・ジョンウォン > ジェイ |
省略されている2番も本当に素敵なので、以下にリンクを貼っておきます。
この曲は普段ラップをメインで担当している RM・J-HOPE・SUGA の3人もメロディ部分を歌っている、珍しい楽曲です。
Permission to Dance のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「Permission to Dance」の歌詞全てを書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
タイトルは「踊る許可」という意味
まず、タイトルの「Permission to Dance」は、日本語に直訳すると「踊る(ダンスする)許可」という意味になります。
一方で歌詞としては “we don’t need permission to dance” (僕たちが踊るのに許可はいらない)と否定形で用いられているため、理解する上で注意が必要です。
また、公式の MV5 で表示されたロゴ(4′02~06″)も注目されており、大きさの異なる文字を入れ替えると別の意味となるアナグラム6になっているそうです。
踊らせたいのは『心』のほう
When the nights get colder
(作詞: Steve Mac, Johnny Mcdaid, Edward Christopher Sheeran, Jenna Andrews | 2021年 BTS [Butter] の「Permission to Dance」から引用)
And the rhythms got you falling behind
Just dream about that moment
まずは1番Bメロの歌詞を引用させていただきました。BTS では JIMIN・JIN、ENHYPEN では ソンフン・ソヌのパートになっています。
“When the nights get colder”(夜はますます寒くなり)、“And the rhythms got you falling behind”(君が後れを取っていると感じられるときは)という意味です。
「Permission to Dance」はコロナ禍に発表されており、世界中の人々が身近な相手とも交流を制限され、全てが停滞していた時期でした。
「夜が寒く」とは、それまで当たり前のように触れ合っていた家族や恋人とも肌を合わすことすら憚られ、精神的にも身体的にも「寒く」感じることを表現しているものと思われます。
fall behind で「後れを取る、落ちこぼれる」という意味となり、時間的に「遅れる」とは異なり、先を越されて「取り残される」状態を指すようです。
“Just dream about that moment”(あの瞬間を夢見てごらん)と続きますが、ここでいう「あの瞬間」は先に綴られたAメロの歌詞を指していると考えます。
It’s the thought of being young
(作詞: Steve Mac, Johnny Mcdaid, Edward Christopher Sheeran, Jenna Andrews | 2021年 BTS [Butter] の「Permission to Dance」から引用)
When your heart’s just like a drum
Beating louder with no way to guard it
1番Aメロ、歌い出しの歌詞を引用させていただきました。BTS では JUNGKOOK、ENHYPEN ではジェイクのパートになっています。
“It’s the thought of being young”(青春を思うと)、“When your heart’s just like a drum”(心臓はまるでドラムのように大きく脈打ち)という意味です。
混沌としているパンデミックの中であっても、青春時代に感じていた自分でも止められない高揚感(ドキドキ)を忘れないで欲しい、そんな願いが込められているような気がします。
ARMY(ファン)へ向けたメッセージ
Well, let me show ya
(作詞: Steve Mac, Johnny Mcdaid, Edward Christopher Sheeran, Jenna Andrews | 2021年 BTS [Butter] の「Permission to Dance」から引用)
That we can keep the fire alive
‘Cause it’s not over
Till it’s over say it one more time, say
大サビ前のBメロ歌詞を引用させていただきました。BTS では JIMIN・Vのパートになっています。(ENHYPEN のパフォーマンスでは省略されている部分)
“Well, let me show ya”(さあ僕が見せてあげよう)“That we can keep the fire alive”(僕たちが火種を絶やさず 燃やし続けられることを)という意味です。
世界が重く暗い空気に包まれ、出口が見えないような状況の中でも、「火種を絶やさず」情熱を「燃やし続ける」と前向きなフレーズになっています。
一方で BTS というグループに目を向けると、韓国の徴兵制度によりメンバーの入隊期限が間近に迫っていた頃です。一時的にでも活動休止せざるを得ない状況であったことは、言うまでもありません。
“‘Cause it’s not over”(まだ終わっていないから)、“Till it’s over say it one more time, say”(終わる前までもう一度叫ぶんだ、叫ぼう)という歌詞は、自分達に向けられたものだったと想像できます。
We don’t need to worry
(作詞: Steve Mac, Johnny Mcdaid, Edward Christopher Sheeran, Jenna Andrews | 2021年 BTS [Butter] の「Permission to Dance」から引用)
‘Cause when we fall we know how to land
全てのサビ部分、中盤の歌詞を引用させていただきました。BTS では JIMIN・JUNGKOOK・JIN、ENHYPEN ではジェイのパートになっています。
“We don’t need to worry”(僕たちは心配なんていらない)、“‘Cause when we fall we know how to land”(落ちてもどう着地すればいいか知っているから)という意味です。
今でこそ BTS は世界的な K-POP アーティストとして認知されていますが、下積み時代は長く苦労していたのもまた事実です。
底辺を知っている彼らだからこそ「着地」なんて問題ない、今の立場から「落ちる」ことは心配ないんだよ、と ARMY7 に向けてメッセージを送っているかのようです。
人を動かす音楽の力
When you look yourself right in the eye, eye, eye
(作詞: Steve Mac, Johnny Mcdaid, Edward Christopher Sheeran, Jenna Andrews | 2021年 BTS [Butter] の「Permission to Dance」から引用)
Then you say
I wanna dance
The music’s got me going
Ain’t nothing that can stop how we move yeah
1番Bメロの最後から、サビ序盤の歌詞を引用させていただきました。BTS では JIN・JUNGKOOK・V、ENHYPEN ではソヌ・ヒスンのパートになっています。
“The music’s got me going”(音楽が僕を動かす)“Ain’t nothing that can stop how we move”(何も僕たちを止めることはできない)という意味です。
コロナ禍で行動を制限された人々に向け、音楽で自然と体が動く感覚を通じて、明るく楽しい気持ちを感じて欲しいという願いが込められているものと思われます。
また “When you look yourself right in the eye, eye, eye”(君が自分自身を見つめるとき)“Then you say”(そして叫ぶんだ)から、サビの “I wanna dance”(踊りたいと)に繋がっています。
先の見えない人生に塞ぎ込むことなく、自分自身を見つめ直して自分の力で立ち上がれ、と背中を押しているようにもとれる内容です。
Permission to Dance のダンス見どころ
K-POP の楽曲には、歌と同じくらいダンスでの表現も欠かせませんよね。
ENHYPEN メンバーによる「Permission to Dance」の Dance Practice 動画は公開されていませんが、本家である BTS 先輩のダンス練習動画がありますので、参考にリンクを貼っておきます。
‘Permission to Dance’ ダンス練習
🗓2021年7月13日BANGTANTV
1番Aメロの “Just sing along to Elton John”(ただエルトン・ジョン10の歌を一緒に歌うんだ)の部分では、RM がピアノを弾くような仕草をしています。
ニキは一度同じような姿勢をとりますが、左手を残した状態で右手を耳元に当てるアレンジを入れています。
『イヤホンで聴きながら』歌う、という解釈なのでしょう…若者ならではの動作ですね。
続くBメロ “When the nights get colder”(夜はますます寒くなり)では、JIMIN がしなやかな動きで自分の体を両腕で包み込む仕草が素敵です。(ソンフンは顔をアップで映されており、全体の動きは確認できませんでした)
サビ部分 “The music’s got me going”(音楽が僕を動かす)で前後に体を揺らす振付になっていますが、ヒスンはお尻が見えるくらいの腰の入れ方で躍動感を表現していますね。
Cメロに入る部分ではニキが右足を蹴り上げており、こちらもアレンジが入っていました。
Permission to Dance の関連映像
Official MV (2021年7月9日)
公式 MV ‘Permission to Dance’
🗓2021年7月9日BANGTANTV
引用した動画は、BTS 先輩による公式 MV です。BTS の公式 YouTube チャンネルで公開されています。
サムネイル画像にもなっていますが、振付に国際手話が取り入れられていることで話題となったようです。(ダンス練習の動画からは確認できませんでした)
Cメロの “Da na na na na na na” が3回繰り返される部分(3′26″~)、最初の節で両手で胸を上下に掻くような仕草は「楽しい」を示すようです。
国際的には「親指を立て他の指を胸の方に曲げる形」となるそうですが、日本では「掌を広げた状態」で上下に動かすようです。同じ手話でも、国や地域によって表現に微妙な違いがあるようですね。
次の節で片方の掌の上でもう一方の手でピースサインした指を下向きにして左右に振る仕草は「踊る」を、最後の節で両手のVサインは「平和」を意味するようです。
また、BTS 先輩方も MV に参加された役者の方々も、皆さん良い笑顔で映っていました。
コロナ禍に公開された動画であったからこそ、視聴された方にとって明るい希望のように見えたのではないでしょうか?
私もこの記事を綴るにあたり初めて観ましたが、胸が熱くなり自然と涙が溢れました。楽しげな曲調の裏に、このようなメッセージが込められていたとは…。
ダンスチャレンジ (2021年8月1日)
防弾少年団先輩の #PermissiontoDance チャレンジ! みんなで楽しんでください💃🕺
🗓2021年8月1日止まらない興奮💃🕺
🗓2021年8月1日ENHYPEN Official YouTube
こちらは ENHYPEN メンバーによる、ダンスチャレンジの映像です。ENHYPEN の公式 YouTube チャンネルにて公開されています。
1つ目の動画はメンバー全員で、2つ目の動画は 02z11 の3人で踊っています。楽曲としては2番サビの終盤からCメロ部分の約24秒間です。
先に紹介した手話の振付部分が、ダンスチャレンジとして採用されているようでした。
一般人を含め世界中の方がこのダンスチャレンジに参加しており、BTS の公式 YouTube チャンネル内でプレイリストになっていますので、次にリンクを貼っておきます。
年齢や人種を問わず、皆さん思い思いにダンスされているのが素敵です。BTS 先輩の影響力は絶大ですね!そしてプレイリスト内に、日本のお笑い芸人「サバンナ 高橋さん」が…意外😳
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN のカバー曲「Permission to Dance」について多少なりともご理解いただけましたでしょうか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「Permission to Dance」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
✨ Special Thanks ✨
アイキャッチ画像:Aristal Branson 様
埋め込み動画のサムネイル画像:Jan Alexander 様・Lucio Alfonsi 様・Micha 様・andresilva5 様
@ Pixabay
コメント
コロナ禍に誕生した ENHYPEN が、BTS 先輩の「Permission to Dance」をカバーすること自体、とても意味深いことのように思えてきます🥹