ENHYPEN1 のカバー曲「Very Good」について、楽曲構成やタイトル・歌詞の意味/解釈、ダンスの見どころなど、カバー曲にまつわる様々な情報を整理しまとめておきます。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、ENHYPEN による Very Good をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
Very Good の基本情報
「Very Good」は、K–CON: TACT 32(2021年3月20~28日)で披露された、Block B3 先輩の楽曲です。メンバー全員でカバーしています。
YouTube の K-CON Offical チャンネルに、当時のステージ映像がアップされています。開催後、2ヶ月ほど経って公開されたようです。
Very Good (原曲: Block B) | KCON:TACT 3
🗓2021年6月1日KCON official
ちなみに、グループ名の「Block B」は、英語の Blockbuster(大旋風を巻き起こすもの、大ヒット作)に由来しているそうです。ENHYPEN の楽曲にも、同じタイトルの曲がありますね~。親近感✨
Block B による「Very Good」
「Very Good」は Block B の 3枚目ミニアルバム「Very Good」の 1曲目に収録されています。
比較のため、Block B 先輩によるステージ映像について、次にリンクを貼っておきます。
M COUNTDOWN:Very Good
🗓2013年10月3日Mnet K-POP
Block B 先輩、ステージもビジュアルも初見でした。デビュー後から約2年半の映像ですが、BBC4 皆さんの掛け声が大きく揃っていて、悲鳴のような黄色い声が凄いです!何より、ご本人達がステージを一番楽しんでるのがよく伝わってきました。
Very Good の楽曲構成・パート分け
「Very Good」の楽曲構成とパート分け(歌割り)を図にまとめてみました。
ロックテイストの利いた K-POP となっており、軽快で明るいリズムの楽曲となっています。
Block B メンバーの ZICO が作詞・作曲・プロデュースに携わっていて、この曲は「色々なジャンルを混ぜて作ったので問題も多く、やっとの思いで完成した」のだそうです。
構成としても非常に凝っていて、1番ではAメロ後ですぐにサビ部分が登場し、2番・3番へと繋がる部分ではラップやCメロが配置されており、細部まで拘って作り上げられた楽曲であることが伺えます。
原曲では、サビ前に一瞬スッと演奏が止まる部分と、サビ部分の『グッググ グッグググ』と音程が徐々に上がる効果音が入っている部分が印象的です。
パート分けとしては、Aメロや曲全体の合いの手を担当したジェイが一番多く、次いで2番Aメロと3番ラップ部を担当したソンフン、2番ラップ部と3番Bメロを担当したジェイクの順で多くなっています。
パート配分 |
---|
ジェイ > ソンフン > ジェイク > ヒスン > ニキ > ソヌ・ジョンウォン |
ENHYPEN のパフォーマンスでは、最後のCメロ部分が省略された形で披露されました。
Very Good のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「Very Good」の歌詞全てを書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
タイトルは「(俺)すごく良いよ」という意味
まず、タイトルの「Very Good」は、日本語に直訳すると「とても良い」となります。
何が「とても良い」状態なのかについては、サビ部分で “I’m very very Good” と綴られているため、「とても良い」のは歌詞の「俺」といえます。
英語で I’m good. という文章の good は「平気、大丈夫」と少し否定を含んだ返事となるようですが、I’m so good. と間に so(とても、非常に)を含めると「俺めっちゃすげぇ」と自分を褒める表現となるようです。
程度を強める so と very の使い分けがあるにせよ、タイトルの「Very Good」は自分を褒める言い回しとして「(俺)すごく良いよ」と自信を覗かせた意味が含まれているのかもしれません。
Block B 先輩は、この曲でカムバックするまで約1年の空白期間を過ごしていたそうです。俺達は「最高だ」と自己顕示すると共に、ファンに向けては「本当に、本当に大丈夫」という隠されたメッセージが込められているのかも…と想像しました。
Block B のコンセプト
깽판 부려 개판 오 분전
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
이런 컨셉은 우리가 전문이야 leggo
3番Aメロ終盤の歌詞を引用させていただきました。Block B では P.O、ENHYPEN では、ジェイのパートになっています。
“이런 컨셉은 우리가 전문이야”(こんなコンセプトは俺たちの専門だ)という歌詞の直前で、そのコンセプトが綴られています。
“깽판 부려” はスラングとして「大暴れする、台無しにする」、“개판 오 분전” もまたスラングとして「無秩序で乱雑な状況」という意味があるようです。
Block B のメンバーが面白いことやいたずらが好きで、悪ガキと称されることからも「大騒ぎして好き放題」なスタイルは健在と示しているのだと思います。
“leggo” は Let’s go. の省略形として「行こう、やろう」といった意味や、Let go. から「解き放つ、捨て去る」といった意味があるようです。
ここでは文末に使われているため、「行こうぜ!」という呼びかけであると思われます。
터지는 pop bottle, 박차를 가해
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
How many fake MCz out there
2番ラップ終盤の歌詞を引用させていただきました。Block B では ZICO、ENHYPEN では、ジェイクのパートになっています。
“터지는 pop bottle, 박차를 가해”(弾けるポップボトル、拍車をかける)という意味の歌詞です。
ここでの pop bottle は「ソフトドリンクを入れるビン」よりも、スラングで使われる「(粗悪な)不良カメラレンズ」を指していそうです。
この歌詞の前で「カーペットの上で胴上げされる」という描写があり、レッドカーペットを歩く自分達を撮影するカメラは、その美貌でレンズすら砕けると表現しているのだと思います。
また、次の歌詞に現れる「MCz」の MC は一般的な司会者(Master of Ceremonies)ではなく、ヒップホップ用語としての「ラッパー」を指す言葉と捉えました。
“How many fake MCz out there”(偽ラッパーは何人いるんだ?)と周囲を見渡し、グループのラップスキルの高さを誇示しているように思えます。
BBC(ファン)に向けられた歌詞
나갈 문은 없어,
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
넌 넋이 나가게 돼
Getcha Getcha ya ya here Getcha Getcha ya ya
get on
1番Aメロ後半の歌詞を引用させていただきました。Block B では B-BOMB、ENHYPEN ではヒスンのパートになっています。
“나갈 문은 없어,”(出口はない)“넌 넋이 나가게 돼”(君は魂が抜けるようになる)という歌詞です。
この曲でいう「君」は、曲を聴いているファンを指しているのだと思われます。
Getcha は get you を省略したスラングで、「(君を)捕まえる、手に入れる」という意味になります。
また get on にはいくつもの意味がありますが、ここでは「仲良くやろうぜ」という訳が適当かと思います。
벌들아 더 세게 울어 웽웽
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
무대가 떠나가게 비명 질러 땍땍
2番・3番Aメロの始まりにある歌詞を引用させていただきました。Block B では P.O、ENHYPEN ではジェイのパートになっています。
“벌들아 더 세게 울어 웽웽”(蜂たちよ もっと強く泣け ぶんぶん)“무대가 떠나가게 비명 질러 땍땍”(ステージが割れるように 悲鳴を上げろ ギャーギャー)という意味です。
벌들 は「蜂」を意味しますが、これは Block B の B と同じ読みの bee(蜂)という英単語から、ファンの愛称として使われているようです。
ファンを巻き込んでステージを盛り上げるという、アーティストとファンとの関係性が伺える部分です。
ファンとしても、自分達の愛称が歌詞に盛り込まれるのはとても嬉しいですね。
荒々しいだけでなく、可愛い一面も
안 나오면 쳐들어간다
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
조, 조여 들어간다
Cメロの初めにある歌詞を引用させていただきました。Block B では U-KWON、ENHYPEN ではニキのパートになっています。
“안 나오면 쳐들어간다”(出てこないなら攻め込む)“조, 조여 들어간다”(お、押し入るぞ)という意味の歌詞です。
相手の出方を伺って、少し弱気になっている様子が表現されています。大口を叩いてはいるものの、実は強気を装っているだけなのでしょうか。
꽃미남들은 기를 써
(作詞・作曲: Ji Ho Woo, Ji Yong Park | 2013年 Block B [Very Good] の「Very Good」から引用)
센 척 해도 너무 귀여운걸
3番Aメロ中盤にある歌詞を引用させていただきました。こちらも Block B では U-KWON、ENHYPEN ではニキのパートになっています。
“꽃미남들은 기를 써”(イケメン達は気張って)“센 척 해도 너무 귀여운걸”(強いフリしても とても可愛い)という意味の歌詞です。
コンセプトとして悪ガキを演じてはいるけれど、実際のところメンバーは気を遣っていて可愛いところもあるんだと、素直に歌詞にしている時点で可愛いですね。
Very Good のダンス見どころ
K-POP の楽曲には、歌と同じくらいダンスでの表現も欠かせませんよね。
YouTube の公式チャンネルに「Very Good」の Dance Practice 動画がアップされています。ステージ披露の数日後に公開されたようです。
‘Very Good’ KCON:TACT 3 ダンス練習
🗓2021年3月30日ENHYPEN Official YouTube
Block B のステージと同様に、ダンサーを交えたパフォーマンスになっています。また、ジェイ・ジェイク・ソンフン・ニキがハンドマイクを持った形で練習しているのが分かります。
基本的に個人パートを際立たせる振付が多いですが、Aメロの “Getcha Getcha ya ya ~” やサビ部分の “I’m very very Good, ~” は全員で揃えているのでメリハリがありますね。
サビ部分では Good の歌詞に合わせて、サムズアップ👍の手を自分に向けているのも特徴です。Block B 先輩の振付は、ファイティングポーズのようにも見えます。全体を通して、跳ねる動きが多いです。
曲の最後では反対に、メンバーが横並びでサムズダウン👎のジェスチャーで締めています。お行儀の良いものではないですが、観ている相手に対して挑発する仕草として格好良く決めています。
個人的には、Cメロ部分でマンネライン5のソヌ・ジョンウォン・ニキがじゃれ合うような振付がよく似合っていると思います。
Cメロから3番ラップへ移る直前の、ソヌの動きが可愛いので必見です。(ターンして、顔の前で握った拳をグッと左右に引っ張る仕草…あれ何ですかね?)
Block B 先輩の Dance にフォーカスした MV もありましたので、併せてリンクを貼っておきます。ダンサーの皆さんを含めた、隊形が目まぐるしく変化するパフォーマンスは圧巻です。
Very Good MV(BBバージョンのようなダンス)
🗓2013年10月16日Block B Official YouTube
ジェイが歌詞を変えて歌っていた!
「BBC(ファン)に向けられた歌詞」でも取り上げましたが、「Very Good」には Block B のファンに向けての歌詞が綴られています。
“벌들아 더 세게 울어 웽웽”(蜂たちよ もっと強く泣け ぶんぶん)の一節を、ステージでは “엔진아 더 세게 달려 뱅뱅”(ENGENE6 もっと強く走って バンバン)と歌っていたようです。
2021年5月5日の Weverse Magazine7 に詳細が掲載されています。
Block B のファンを楽しませるという意図を汲んで、ENGENE を楽しませようとしてくれたのだと思うと…本当に感慨深いですね。
“벌들아” の 아 は助詞として、親しい人を呼ぶときに付ける言葉のようです。“벌들” と “아” が連なったときに連音化して「エンジナ」と聞こえることから、当サイトのサイト名にも活用しています!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN のカバー曲「Very Good」について多少なりともご理解いただけましたでしょうか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「Very Good」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
✨ Special Thanks ✨
アイキャッチ画像:Eric Masur 様 @ Unsplash
埋め込み動画のサムネイル画像:Jan Alexander 様・Micha 様・andresilva5 様
@ Pixabay
コメント
治安悪めな衣装で ENGENE を驚かせたカバー曲の「Very Good」ですが、こんな楽曲も消化できるんだ~と意外でしたね😳特にジェイとニキが似合っていて、I-LAND のグラウンダー期を思い出させます💭