ENHYPEN1 の曲「Make the change」について、楽曲構成やタイトル・歌詞の意味/解釈、ダンスの見どころや関連映像など、曲にまつわる様々な情報を整理しまとめておきます。
この記事をご覧になった方が曲への理解度が高まり、Make the change をより楽しんで聴かれると嬉しいです。
Make the change を要約すると、こんな曲 (7分類)
「Make the change」の曲を、基本情報・楽曲構成・パート配分・タイトルの意味・歌詞の意味/解釈・MV2の有無・ダンス有無の7分類でまとめました。
- 基本情報
日本語の楽曲。日本 1st アルバム「定め」3曲目に収録。TVドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ 2」の主題歌。 - 楽曲構成
Aメロ→Bメロ→サビの流れにCメロやソロパートが配置された、爽やかで躍動感のある J-POP。音源(YouTube 公式チャンネル) - パート配分
ジェイク > ヒスン > ソヌ > ジョンウォン の順にパート配分が多い。 - タイトルの意味
タイトル「Make the change」は『変化を起こす』という意味。 - 歌詞の意味/解釈
- 「肩をはたいて」には、K-POP アーティストとしての習慣や重圧を払う意味が込められている
- “irony” は「期待された結果と実際の結果が違う」状況を示している
- 「切る」の読みと発音が同じ “kill” も言葉の裏に隠されている?
- 「君といれば 飽きないよね」から、相手には自分と違う個性があり、尊重しているようすが見て取れる
- MVの有無
なし。 - ダンス有無
なし。
Make the change の基本情報
「Make the change」は、日本 1st アルバム「定め」の3曲目に収録されています。
TVドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ 2」の主題歌
「Make the change」は日本の TV ドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ 2」(以降、「最高のオバハン」と略)の主題歌となっていました。
「最高のオバハン」は 大地 真央 さんが主演し、松本 まりか さんがバディを務める世直しコメディ系の連続ドラマです。(2022年10月8日~12月11日、全10話)
小説家である 林 真理子 さんの『最高のオバハン』シリーズが原作で、大胆なアレンジが加えられドラマ化されています。
『令和の水戸黄門』と比喩される1話完結型の痛快劇で、第2シリーズは岐阜が舞台になっていました。
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大地真央さんといえば某 CM のイメージがすっかり定着していますが、「中島ハルコ」も『はまり役』で視聴後の爽快感があります!また、キャストには 今野 浩喜 さんの姿も…素敵なご縁です。
この曲は『令和のサタデー・ナイト・フィーバー3』を楽曲のイメージとしてオファーしたものだと、ドラマのプロデューサーが明かしています。
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先に出来上がっていた曲を主題歌にしたのではなく、ドラマのイメージから曲が作られていたのですね!
Make the change の楽曲構成・パート分け
「Make the change」の楽曲構成とパート分け(歌割り)を図にまとめてみました。
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エレクトロニック・ダンス・ミュージック(Electronic Dance Music、略してEDM)のジャンルで、電子音で作られたメロディーです。
Aメロ→Bメロ→サビの王道な流れに加え、高音でリズミカルなCメロと印象的なソロパートが配置されています。
「昭和を感じさせ、かつ新しいダンスナンバーを」との要望があったように、Cメロ部分はディスコ調で体が自然と動くようなリズムに仕上がっています。
パート分けとしてはジェイクが一番多いです。
次いでヒスン・ソヌ・ジョンウォンの順でパート配分が多く、他のメンバーは同じくらいの比率になっています。
パート配分 |
---|
ジェイク > ヒスン > ソヌ > ジョンウォン > ニキ > ジェイ > ソンフン |
Make the change のタイトル・歌詞の解釈
著作権の都合上、「Make the change」の歌詞全てを書き出して説明することは難しいため、ポイントを絞って自分なりの解釈を綴っておきます。
タイトルは『変化を起こす』という意味
まずタイトルの「Make the change」ですが、日本語に直訳すると『変化を起こす』という意味です。
この change は「変化、変更」という名詞で、make は「(状況を)生じさせる、引き起こす」という動詞です。
make the change は、曲中で次のように表現されています。
We’ll make the shine and make our smiles
(作詞: D&H, UTA | 2022年 ENHYPEN [定め] の「Make the change」から引用)
互いの空に向け 思いを風に乗せ
We’ll make the change
曲中で3回繰り返される、Cメロ前半の歌詞を引用させていただきました。
1行目では “We’ll make the shine and make our smiles”(僕らは光り輝き、笑顔になる)と未来に目を向けたうえで、3行目で “We’ll make the change”(僕らは変化を起こすんだ)と宣言しています。
we’ll は we will の短縮形で、will という英単語は、日本では「~になる、~だろう」と未来を表す助動詞として習いますが、本来は意志を示す言葉で「~しよう、~するつもりだ」といった決意が含まれています。
ENHYPEN としては 3rd ミニアルバム「MANIFESTO: DAY 1」からの流れを受け、自分たちが K-POP アーティストの在り方を良い方向に導き、その先に笑顔でいる未来を望んでいることを表現していそうです。
肩を「たたく」ではなく「はたく」理由
溢れた答えはもう興味ない
(作詞: D&H, UTA | 2022年 ENHYPEN [定め] の「Make the change」から引用)
肩をはたいて
This is just how we do
1番Aメロの歌詞を引用させていただきました。ヒスンが担当しています。
注目したのは「肩をはたいて」と綴られた2行目です。「叩いて」ではないのですね。
「はたく」には対象に付着しているものを除去する/払うというニュアンスがあり、この歌詞でも肩に乗っていた『何か』を払ったと想像することができます。
K-POP アーティストとして先代からの習慣や重圧を取り払い、“This is just how we do”(これが僕らのやり方さ)と気楽に構えるさまが目に浮かびます。
悩みは「切る」?それとも “kill”?
それぞれの irony
(作詞: D&H, UTA | 2022年 ENHYPEN [定め] の「Make the change」から引用)
いつかは our vitamin
悩みは slash and 切る
信じて come and follow me, yeah
次に、2番Aメロの歌詞を引用させていただきました。ニキのパートです。
1行目の “irony” という英単語は、「反語・皮肉、意外(皮肉)な成り行き」を意味する名詞です。
irony はいくつかの意味を含むため、この歌詞での使われ方をもう少しわかりやすくいうと、「期待された結果と実際の結果が違う」状況を指しています。
「それぞれの」は『僕ら』に掛かっているとすると、メンバーによって思うような結果が得られないことがあったかもしれないけど…という過去を示していそうです。
それでも「いつかは our vitamin(僕らのビタミン)」、つまり『人生の糧』になるだろうと前向きな表現になっています。
さて、気になる3行目の「悩みは slash and 切る」ですが、slash は「ずばっと切る、カットする、削減する」といった意味の動詞で、日本語の「切る」と同じ意味があります。
文末の「切る」は日本語で表記されていますが、同じ発音の英単語 kill が隠されているのではないでしょうか。
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歌詞を知らずに聴いていたので、私はずっと “kill” だと思っていました。Future Perfect (Pass the MIC) でも、ニキのパートに “kill” がありませんでしたか?
日本語の「切る」と英語の “kill”、どちらも続いている物事を絶つ(断つ)意味があるため、悩むという行動やその時の感情を絶ち切ることを示していそうです。
「最高のオバハン」においては、ハルコさんが世間の悩みや不正を辛辣かつストレートな言葉でズバズバ「切って」いくさまも、この歌詞に含まれているのではと思います。
君と歩き出す、新しい風が吹く未来へ
君といれば 飽きないよね
(作詞: D&H, UTA | 2022年 ENHYPEN [定め] の「Make the change」から引用)
普通なんて望んでない
I feel it 仲間と歩き出す
また
大サビ前、ソロパートの歌詞を引用させていただきました。ソンフンとソヌが担当しています。
「君といれば 飽きないよね」という歌詞から、相手には自分と違う個性があり、尊重しているようすが伝わってきます。
性格が似ている相手とは落ち着いた時間が過ごせますが、相手の思考や行動が自分と異なるとき、自分にとってはよい刺激になりますね。
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ENHYPEN はそれぞれ個性の際立つ7人のグループですし、「最高のオバハン」でいえば主人公のハルコさんが強烈なキャラクターになっています。
「普通なんて望んでない」の文には普通の対象が省略されていますが、普通の『関係』という言葉が隠れているものと思われます。
「I feel it(僕はそれを感じて)仲間と歩き出す」と続くため、相手との特別な繋がりを再確認して前進していこうという意志が感じられます。
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性格が正反対なクンヤズ(ソンフンとソヌ)が担当しているのも、ENGENE には微笑ましいことですね。
Make the change に MV はありませんでした…
調べてみましたが、残念ながら「Make the change」には MV が見当たりませんでした。
「定め」のタイトル曲6は「Future Perfect (Pass the MIC) [Japanese Ver.]」であり、「Make the change」は収録曲としてプロモーション用の映像はなさそうです。
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Make the change にダンスはありませんでした…
調べてみましたが、残念ながら「Make the change」にはダンス映像が見当たりませんでした。
ワールドツアー ‘MANIFESTO’ 日本公演(2022年11月1日~2023年1月22日)や ‘FATE’ 日本公演(2023年9月2日~9月14日)でセットリストに含まれていたようですが、ダンスの振り付けが用意されていたわけではなく、回転するステージやトロッコに乗って歌うパフォーマンスになっていたようです。
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‘FATE’ では「Make the change」の曲を使って、먼트7中に無茶振りのダンスチャレンジをしていたようです。
Make the change の関連映像
ENHYPEN のワールドツアー ‘MANIFESTO’ のようすや、日本の音楽フェスティバルで披露された「Make the change」のステージ映像について、次に引用して紹介しておきます。
ショート動画1 (2022年11月12日)
まずは、ショート動画【その1】です。
ENHYPEN の YouTube 公式チャンネルにて公開されています。
「#ENHYPEN #MANIFESTO_IN_OSAKA」のタグ付けがされており、日本・京セラドーム大阪の公演(2022年11月9-10日)で撮影されたものと思われます。
[EN_Clip] Make the change
🗓2022年11月12日ENHYPEN Official YouTube
このときの「Make the change」は、回転するステージの上でマイクスタンドを使ったパフォーマンスとなっています。
ニキのパートでは、他のメンバーが合いの手を入れて盛り上げてくれていますね。
日本はまだコロナ禍の規制で声を出しての観覧が禁止されていた時期ですが、メンバー同士のさり気ない行動に「キャー」という歓声が上がっているのが確認できます。
エピソード動画 (2023年3月5日)
こちらはショート動画【その1】に関連した、コンサートの裏側を収めたエピソード動画です。
ENHYPEN の YouTube 公式チャンネルにて公開されています。
[EPISODE] MANIFESTO in 京セラドーム大阪 コンサートスケッチ(11’12~27″)
🗓2023年3月5日ENHYPEN Official YouTube
追加公演(京セラドーム大阪、2023年1月21-22日)での映像と思われます。
先のショート動画とは変わって、トロッコで客席の間を移動しながら「Make the change」の曲が披露されています。
コンサートでの声出しが解禁され、メンバーを間近に感じられる演出に、参加された ENGENE は素敵な時間を過ごされたことでしょう😍
ショート動画2 (2024年8月13日)
こちらはショート動画【その2】です。
ENHYPEN の YouTube 公式チャンネルにて公開されています。
「#RIJF2024」のタグ付けがされており、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024(千葉市蘇我スポーツ公園、2024年8月10日)に出演時の映像と思われます。
Summer in Japan🔥
🗓2024年8月13日ENHYPEN Official YouTube
ロック音楽が主体のフェスティバルということもあり、重低音のアレンジが加わった「Make the change」が披露されたようです。
真夏の野外ステージで、ENHYPEN も ENGENE も普段のステージとは一味違った状況を楽しめたのではないでしょうか。
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K-POP アーティストが出演すること自体が、非常に珍しいことですよね!
サビ部分ではメンバーが一箇所に集まり、胸の前で円を描くような振付(車のハンドル操作?)をしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ENGENE 予備軍の方は、ENHYPEN の曲「Make the change」について多少なりともご理解いただけましたでしょうか?
また先輩 ENGENE の方は、私の整理した「Make the change」の関連情報について間違いありましたら、ご指摘いただけると助かります。
📢 Special Thanks 🎨
アイキャッチ画像:hachineko 様 @ 写真AC
「MV はありませんでした…」「ダンスはありませんでした…」のイメージ画像:Mudassar Iqbal 様
埋め込み動画のサムネイル画像:Dorothe 様・andresilva5 様
@ Pixabay
ENHYPEN(エンハイフン/エナイプン):BELIFT LAB(HYBE LABELS)所属の7人組 K-POP アイドルグループのこと。
↩︎MV(エムヴィ):Music Video(ミュージックビデオ)の略。
↩︎- サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever):1977年に制作された、ディスコ文化を描いたアメリカの映画。劇中の挿入歌を収めた同名のサウンドトラックが世界的にヒットしている。 ↩︎
ENGENE(エンジン):ENHYPEN のファンを指す言葉。
↩︎I-LAND(アイランド):次世代 K-POP アイドルを輩出するために、専用の施設を用意し行われたオーディション番組のこと。
↩︎タイトル曲:K-POPにてミニアルバム等が発売されるとき、そのアルバムの代表作となる1~2曲を指す。
↩︎- 먼트(メント):「コメントする、進行する」という意味の韓製英語。어나운스먼트(announcement)より。 ↩︎
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